「英語の冠詞って難しい」と思っている方が多い方かと思います。
私も何度も英語ネイティブスピーカに冠詞に関して直されながら、英語の冠詞について学んできました。
そのような経験をもとに、英語の冠詞 【a, an, the】【冠詞が必要な場合とのつけない場合】の使い分けをわかりやすく解説します。
冠詞の覚えておきたいポイント
英語には名詞の前につく冠詞というものがあります。冠詞には2種類(不定冠詞・定冠詞)あります。
不定冠詞(a/an)の用法
a(1つの)
単数形の名詞で,その名詞および名詞に付いた形容詞の最初の発音が母音でないものに付きます。
a book
a beautiful flower
an(1つの)
単数形の名詞で,その名詞および名詞に付いた形容詞の最初の発音が母音であるものに付きます。
an old house
an hour
定冠詞の一般的用法
前に一度出た名詞を再び繰り返すとき
He has a son and a daughter. The son is an engineer and the daughter is a teacher.
(彼には息子と娘がある。息子は技師で娘は教師である)
はじめて出たものでも,文脈・状況から特定性が明らかなとき
He went to his room and shut the window.
(彼は自分の部屋に行き,窓を閉めた)
一般的なものを表すときは無冠詞
ある大学の授業で,学生に小学校で行う英語の授業案を書かせました。
その中でI like a pink fish. I like a white rabbit. という箇所があり,aがつくのはおかしいなという気がしたので,「ちゃんと調べて書いたの?」と聞いたところ,これは「ネイティブスピーカが書いた教案に書いてありました」と言われたので,何かこのような使い方もあるのだろうとそのままにしておきました。
ところが,その授業案を掲載した論文を英語母語話者に見てもらったところ,赤でたくさんの書き込みがありました。
何だろうと見てみると,この冠詞のaについてで,この文はおかしいと長々と説明が書いてあり,とても恥ずかしい思いをしました。
さて,I like a pink fish. とI like a white rabbit. 皆さんならどのように直しますか。
一般的なものを表す時は,数えられる名詞の場合は通常は複数形で表します。
そのため,I like a white rabbit. → I like white rabbits. になるということです。
ところで ,fishの複数形はそのままfishですので,
I like a pink fish. → I like pink fishになります。
「私は蛇が嫌いです」となると
I hate snakes.となります。
ただし,時々,the+単数名詞 やa+単数名詞を使って一般的なものを表すことがあります。
特に,the+単数名詞は学術書などのかたい文章が多いので,とりあえず一般的なものは複数形と覚えておけば,だいたいは間違いないかと思います。
Last night, I ate a chicken in the backyard.って正しい??
マーク・ピーターセン(1998)の「日本人の英語」という本を読んだことがありますか。
「日本人の英語」はこちら
日本人の英語の問題点を指摘している名著です。
その中で,Last night, I ate a chicken in the backyard. と書いてある手紙をもらったという部分があります。
この文を読んで,英語母語話者である著者はどのようなイメージを思い浮かべたのでしょうか。
「夜がふけて暗くなってきた裏庭で,友だちが血と羽だらけの口元に微笑を浮かべながら,ふくらんだ腹を満足そうに撫でている」と述べています。
食べる肉の鶏肉について述べているときは,常に数えられない名詞になりますので,この文は正しくは,Last night, I ate chicken in the backyard. になります。
ところで,庭にいるニワトリを指す場合はもちろん1羽・2羽と数えられますので,数えられる名詞になります。
They keep four chickens in our garden.
彼らは庭で4羽ニワトリを飼っている。
そのため,「日本人の英語」の著者はI ate a chicken in the backyard. という文をみて,食べる鶏肉ではなく,1羽の鶏を思い浮かべたのだと思います。
また、「日本人の英語」無料でAmazonのAudibleでも聞けます。
なぜ富士山にはtheがなくて、アルプス山脈にはtheが必要なのか?
なぜ、富士山にはtheがなくて、アルプス山脈にはtheが必要なのか? と疑問に思ったことはないでしょうか。その理由を説明しています。
ここでの内容がしっかり理解できるようになったら、「英語の文法はクイックレスポンスでマスター」で冠詞のクイックレスポンスとシャドーイングを行いましょう。

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