日本の茶道におけるお辞儀の種類と仕方:真・行・草を英語で詳しく解説!

茶道のお辞儀 茶道

海外のドラマを見ていると、時々、外国人が日本人と挨拶するときに、お辞儀をしている場面を見ることがあります。

また、「奈良の鹿」が時々観光客に見せるという「お辞儀」が話題になっていますが、「日本では鹿までお辞儀をするのか!」と外国人観光客が驚いたという話しもあります。

このようなことから外国人にとって、日本人=頭を下げるお辞儀という印象があるのだろうと思います。

また、茶道は日本の代表的な文化です。

茶道では、最初最後もちろん、その都度をお辞儀を行い、 礼の気持ち伝えます

よって、ここでは茶道のお辞儀について英語で学びます。

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お辞儀の心理的・精神的背景

茶道におけるお辞儀は、単なる作法にとどまらず、人間関係を深めるための大切な心の表現です。

お辞儀には、相手に対する敬意、謙虚さ、感謝といった、日本人が大切にする価値観が強く反映されています。

茶道では、あらゆる動作において「相手を思いやる心」を表現することが求められ、お辞儀はその中核に位置します。

お辞儀をすることにより、自分を抑え、相手や空間に礼を尽くす姿勢が示されます。

たとえば、深く頭を下げることで、相手への敬意を目に見える形で表し、自らの立場を低くすることで、謙虚な心を伝えます。

茶道では、相手の存在に対して感謝し、その場の「和(やわらぎ)」を生むことが重視されますが、お辞儀はまさにその「和」を具現化する行為です。

また、茶道におけるお辞儀は、心の内面を整える役割も持っています。

お辞儀を通じて、自分の心を落ち着かせ、今この瞬間に集中することができるのです。

このように、お辞儀は、茶道の精神である「和敬清寂」(和:調和、敬:敬意、清:清浄、寂:静寂)を体現するための重要な動作です。

具体的には、お辞儀をする際に心の中で相手や場への感謝を意識し、「私はここにいることを尊重し、あなたに心を込めて接します」という思いを込めます。

この心の持ち方が、茶道における深い人間関係の構築につながります。お辞儀は、表面的な行動ではなく、心の内面を映し出す鏡のようなものであり、その行為が丁寧であればあるほど、相手への敬意が伝わりやすくなります。

こうした心の状態を維持しながらお辞儀をすることが、茶道の場では特に重要です。

お辞儀を通じて互いに尊敬と感謝の気持ちを交換し合うことで、茶室内に一体感と調和が生まれ、より深い精神的なつながりが感じられるのです。

お辞儀の文化的な位置づけ

お辞儀は、日本文化において人間関係の根底にある礼儀作法の一つであり、社会的なコミュニケーションの基本です。

古くからの伝統や儀式の中で培われ、相手に対する尊敬、感謝、謙虚さを表現する手段として、日常的な交流の場でも幅広く用いられています。

お辞儀は、あらゆる場面で相手との調和を重視する日本人の価値観を映し出し、人と人とのつながりを築くための重要な手段となっています。

茶道におけるお辞儀は、特に精神的な意義が強調される作法の一つです。

茶道では、客人や茶室、茶道具に対して敬意を払い、感謝を込めてお辞儀をすることが求められます。これは、茶道が持つ「和敬清寂」(和:調和、敬:敬意、清:清浄、寂:静寂)という精神を体現するための行動です。

礼を尽くすことで相手との関係を調和させると同時に、茶室という場全体の空気を整える役割も担っています。

茶道においてお辞儀を行うたびに、参加者全員が場への敬意や互いの存在を意識することで、精神的なつながりが生まれるのです。

お辞儀には、相手との距離感や場の状況に応じた違いがあります。

日本文化では、お辞儀の深さや角度によって、相手に対する敬意の度合いが示されます。たとえば、深いお辞儀は目上の人に対する最大限の敬意を表し、軽いお辞儀は親しい間柄やカジュアルな場面で使われます。

茶道でも、「真・行・草」の3つのお辞儀が存在し、場の格式や相手の立場に応じて使い分けられます。

この形式的な細かさが、日本文化全体における場の空気を読む重要性や、場の調和を重視する精神と深く結びついています。

また、お辞儀は日本の儀礼文化の中で特別な意味を持つ行動でもあります。

歴史的には、宗教的儀式や武士道において、命をかけて相手に敬意を示す行為としてお辞儀が行われていました。

このような歴史的背景があるため、お辞儀は日本人にとって、単なる形式的な礼儀を超えた精神的な重みを持つ行為として受け継がれています。

特に茶道では、茶室が一種の神聖な空間と見なされるため、そこで行うお辞儀は浄化の行為とされ、内面的な純粋さや誠実さを表現するものとされています。

さらに、茶道でのお辞儀は、参加者全員の心を一つにする儀式的な役割を果たします。

お辞儀を通じて、参加者全員が互いに敬意を示し合い、同じ場にいることの意味を共有することで、精神的な一体感が生まれます。

この行為により、茶道は単なる「茶を点てて飲む」こと以上の深い人間関係の交流の場となります。

お辞儀は、茶会の始まりから終わりまでのあらゆる瞬間に行われ、そのたびに参加者全員が場への感謝と尊敬を再確認することができます。

このように、お辞儀は茶道において、単なる形式的な動作を超えた深い文化的意義を持つ行為であり、日本文化の精神や価値観を最も象徴的に体現するものとなっています。

茶道でのお辞儀を通じて、日本人が持つ礼儀、和の精神、相互尊重といった文化的価値観が、茶室という限られた空間の中で凝縮されるのです。

お辞儀の具体的な応用場面

茶道におけるお辞儀は、茶会のあらゆる場面で用いられる基本的な作法であり、その場の流れや雰囲気を整える役割を果たします。

具体的には、入室時、退出時、抹茶を受け取る時、返す時など、茶会の各段階で異なる形で行われます。

これらの場面で行うお辞儀は、場に応じて深さや形式が変わり、茶室の品格と参加者の心構えを示すものとなります。

入室時のお辞儀

  • 茶室に入る際には、まず入口で軽く一礼をし、茶室内の空気を尊重する心を示します。その後、畳の縁を避けて歩き、定位置に着いた後に、深く丁寧なお辞儀をします。これにより、場に対する敬意と謙虚な心を表現し、茶室内の静寂を守る意識を持ちます。この最初のお辞儀は、茶会の精神的な開始を示す大切な動作です。

茶碗を受け取る時のお辞儀

  • 主人から抹茶を受け取る際には、両手を使って丁寧に茶碗を受け取り、感謝の意を込めたお辞儀をします。ここでは、茶を点ててくれた主人に対する感謝と、茶そのものへの敬意を示すことが重要です。このお辞儀は、ただの礼儀ではなく、お茶に対する畏敬の念を表現する動作であり、茶道の「和敬清寂」の精神を具現化します。

茶碗を返す時のお辞儀

  • 茶を飲み終えた後、茶碗を返す際には、もう一度深くお辞儀をして感謝の気持ちを示します。このお辞儀は、茶碗を丁寧に返すことだけでなく、主人のもてなしに対する感謝を表現する意味合いも持ちます。この時のお辞儀は、感謝とともに、茶会を通じた心の交流を大切にする茶道の精神を強調する行為です。

茶室を退出する時のお辞儀

  • 茶室を退出する際にも、茶室や主人に対する最後のお辞儀をします。茶室から出る直前に振り返り、深くお辞儀をすることで、場に対する感謝と敬意を改めて示します。このお辞儀は、茶会全体を通じて得た経験と、茶道の精神への尊敬の念を込める、非常に大切な終礼です。

茶道具へのお辞儀

  • 茶碗や茶筅などの道具に対しても、使用前や使用後に軽くお辞儀をすることがあります。道具は茶を点てるための大切なパートナーであり、それらに対しても感謝の気持ちを示すことで、茶道全体に対する心の浄化と敬意が表現されます。この一連の動作は、茶道具への畏敬を示し、道具を通じて茶の世界に入るという意味を持ちます。

客同士の交流時のお辞儀

  • 茶会では、他の客との交流時にもお辞儀を交わします。たとえば、共に茶を楽しむ客同士が感謝や挨拶の言葉を交わす際には、軽くお辞儀をして相手に対する敬意と感謝を示します。これにより、参加者同士の関係が深まり、茶会全体がより和やかな雰囲気になります。

茶室の床の間へのお辞儀

  • 床の間には、掛け軸や花などが飾られ、茶室の象徴的な存在とされます。茶会が始まる前や終了後に、床の間に向かってお辞儀をすることは、茶会の中心となる精神的な存在への敬意を示す行為です。このお辞儀は、茶室内の調和と茶会の成功を祈る心を込めて行われます。

これらの具体的な応用場面で行うお辞儀は、単なる形式的な作法にとどまらず、茶道の精神やその場の空気を支える役割を担っています。

それぞれのお辞儀に込められた意味を理解しながら実践することで、茶会全体がより心地よい調和と深い人間関係を生む場となります。

動画で3種類のお辞儀を英語で学習

次に、動画で3種類のお辞儀を具体的に学習しましょう。

Part1 最初に3つの動作を英語と日本語で学びます。

Part2 Review(復習)をしましょう。

お辞儀に関する英単語

動画で使われていた英単語です。

bowingお辞儀
respect敬意
recipient受ける人
host亭主
guest
greeting挨拶
forward前に
palm手のひら
fingers
tips

客としての茶道での座り方

客としての茶道での座り方【裏千家)を学びます。

  • The back is straight. The chin is pulled in slightly.
  • 背中はまっすぐに。顎は少し引いて。
  • The right hand covers the left hand, with fingers together.
  • 右手を左手に重ねます。指は揃えて。
  • The left fingers are not seen.
  • 左手の指は見えないように。

お辞儀の種類

最初に簡単にお辞儀の種類について解説します。

  • There are three types of bowing : Shin(formal), Gyō(semi-formal), and Sō (informal).
  • 茶道のお辞儀(裏千家)には3種類あります。真(フォーマル)行(セミフォーマル)草(インフォーマル)
  • It is important to feel a sense of respect with the recipient of bowing.
  • お辞儀をする相手を敬う気持ちを持つことが大切です。

真のお辞儀

  • Shin bows are used when host and guest formally exchange greeting.
  • 真のお辞儀は亭主と客が正式に挨拶を交わすときに行うお辞儀です。
  • The back is straight. The chin is pulled in slightly.
  • 背中はまっすぐに。顎は少し引いて。
  • Make eye contact with the recipient.
  • 相手と目を合わせて。
  • Let your hands slide forward to the floor.
  • 手を床に滑らせて。
  • Place your fingers and palms on the floor.
  • 手のひらと指を床に。
  • Keep your back straight.
  • 背中はまっすぐのまま。
  • Move slowly.
  • ゆっくり動いて。

行のお辞儀

  • Gyō bows are used when guests  interact with each other.
  • 行のお辞儀は客同士が挨拶をするときに使います。
  • The back is straight. The chin is pulled in slightly.
  • 背中はまっすぐに。顎は少し引いて。
  • Make eye contact with the recipient.
  • 相手と目を合わせて。
  • Let your hands slide forward to the floor.
  • 手を床に滑らせて。
  • Your fingers are on the floor, but your palms do not touch the floor.
  • 指は床につけて。手のひらは床につかないように。
  • Keep your back straight.
  • 背中はまっすぐのまま。
  • Move slowly.
  • ゆっくり動いて。

草のお辞儀

  • Sō bows are used when the host interacts with the guests while conducting the otemae.
  • 草のお辞儀は、亭主がお点前を行っている間行うお辞儀です。
  • The back is straight. The chin is pulled in slightly.
  • 背中はまっすぐに。顎は少し引いて。
  • Make eye contact with the recipient.
  • 相手と目を合わせて。
  • Let your hands slide forward to the floor.
  • 手を床に滑らせて。
  • Lean forward slightly until the tips of your fingers reach the floor.
  • 指先が床につくところまで前に少しだけ傾けて。
  • Keep your back straight.
  • 背中はまっすぐのまま。
  • Move slowly.
  • ゆっくり動いて。

茶道でよく使う英単語に茶道でよく使われる英単語が動詞・名詞・副詞別に掲載されています。

以下の本を参考にしました。

また、日本語ですが、お客様の作法に特化して、とても詳しく書いてある本がこちらです。

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おわりに

ここでは茶道で行うお辞儀について英語で学びました。

茶道を習ってなくても、外国人と一緒にお寺にいったり、茶会に参加したりしたときに、ここで学んだお辞儀や抹茶の飲み方について英語で説明してみましょう。

また、「英語で茶道」として以下のような教材がありますので、ご活用ください。

茶道具の買い取り

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