立礼(りゅうれい)とは、テーブルと椅子で行う茶道のお点前のことです。
裏千家11代目玄々斎(げんげんさい)は点茶盤と呼ばれるテーブルと椅子のセットを使用してお茶を点てる椅子テーブル式の手前を創り出し、1872年(明治5年)に京都博覧会で来日した海外の観光客に向けて立礼をはじめて披露しました。
それ以来、大宗匠によってさまざまなデザインの立礼のテーブルが発表されました。
この記事では、特に、裏千家14代淡々斎が1952年に考案した「御園棚」点前の手順について動画を使って詳しく解説します。
裏千家の点茶盤とは?
点茶盤とは、茶道の立礼点前で主人が お茶を点てる時に道具を置くためのテーブルのことです。
その他、立礼式には以下のような喫架(きっか:茶盤の横や客の前に置かれるテーブル)が必要です。
以下のような円椅(えんい:立礼に使われる椅子)や円座(えんざ:円椅の上に置くクッション)も必要です。
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その他、立礼では以下のような水指・杓立・建水・蓋置がセットになった皆具(かいぐ)が必要です。
裏千家の御園棚とは?
御園棚は、裏千家14代無限斎宗匠(淡々斎)によって考案され、1952年(昭和27年)今上天皇立太子礼の記念の京都大宮御所での祝賀茶会に用いられ、命名されました。
荷負の正面前版は七宝透かしの文様で、両側面には朱色の組紐が華鬘(けまん)結びになっています。
私は以下の御園棚を楽天で購入いたしました。
御園棚では以下のような富士釜がよく使われます。
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裏千家の御園棚の手前の手順
上記の動画の解説です。
道具を清める
- 右手でお茶碗を4時30分の位置から持ち、自分のほうに持っていきます。
- 次に左手で9時の位置、右手で3時の位置で持ちます。
- 棗のためのスペースを確保しながら、茶碗をテーブルの中央に置きます。
- 右手で棗を上から持ちます。
- それを茶碗の前に置きます。
- 袱紗をたたみ、棗を清めます。
- 茶杓を清めるために袱紗を再びたたみます。
- 腕が正面に伸びていることを確認してください。
- 茶筅を茶碗から取り出します。
- その際、全身を使って少し後ろに動かし、それから前に動かして茶筅を棗の隣に置きます。
- 茶碗を自分のほうに近づけます。
- 袱紗を茶碗の右側に置きます。
- 左手で柄杓を持ちます。
- まず、柄の先端のほうを持ち、合をテーブルと水平になるまで持っていき、それから柄杓を持ち上げます。
- 柄杓を体の中心に持ってきます。
- いったん右手で節の近くを持ち、すぐに左手で節の下を持ち、右手は指を揃えて伸ばし、切止に添えてかまえます。
- 右手で蓋置きをテーブルの角に近づけます。
- 袱紗で釜の蓋を開け、蓋置きに乗せます。
- 袱紗を茶碗の左側に置き、茶碗から茶巾を取ります。
- 茶巾を釜の蓋の上に置きます。
- 柄杓を横向きに手前に持ってきて、右手を柄のほぼ中央にある節に滑らせます。
- 釜のお湯を半分すくい、茶碗に注ぎます。
- 柄杓の合を釜の口の上に置きます。
- 右手の人差し指と親指で柄の節をつまみ、柄杓を下に置きます。
- 茶筅を清めます。茶筅を2回ほど持ち上げ穂先を調べ、茶碗の中の茶筅を数回往復させます。さらに、茶碗の中で円を描き、茶筅を取り出します。
- 茶碗を手に取り、左手で茶碗の中の水を建水に捨てます。
- 釜のふたから茶巾を取り、茶碗を拭き始める。
- 体の左側で3回回し、茶碗を体の中心に持ってきて、最後の半回転を終えます。
- 茶碗の内側を拭きます。
- 茶巾を釜のふたの上に戻します。
- 右手で茶杓を取ります。
茶を点てて出す
- 「お菓子をどうぞ」と言い、左手で棗を取り、蓋を開けます。
- 蓋を茶碗の右側に置き、茶杓で抹茶を2回すくいます。
- その際、茶碗の9時の方向に棗を持っていき、こぼれないようにします。
- 水指の蓋を開けます。
- まず、右手でつまみを持ち、蓋を手前に寄せます。
- 次に左手で蓋の9時の位置を持ち、蓋を回転させて垂直にします。
- 最後に右手で蓋の10時の位置を持ち、蓋を水指の左側に置き、水指に寄りかからせます。
- 釜から柄杓でお湯を一杯すくいます。
- 合の半分のお湯を茶碗に注ぎ、残りを釜に戻します。
- 右手の「V」の字を作り、柄杓の柄を右手の親指と人差し指に置きます。
- 柄を釜の上に下し置きます。
- 茶碗の中で茶筅を前後動かしながら泡立てます。
- 泡立て終わったら、茶筅を少し上げて泡の表面をなでるようにすると、泡が消えて表面がなめらかになります。
- 右手で茶碗を持ち、左の手のひらにのせ、時計回りに2回まわして茶碗の正面を客に向けます。
- 半東が客に茶碗を運びます。
- 客が「お点前頂戴致します」と言ったら、一礼します。
- お客が一口目を飲んだら、袱紗を取り帯に戻します。
道具を片付ける
- 茶碗が戻ったら、右手で茶碗を取り、左の手のひらにのせて中を見ます。
- 右手を茶碗の3時の位置に動かして、茶碗をテーブルに置きます。
- 合の半分のお湯を注ぎます。
- 柄杓を釜の上に置きます。
- 茶碗を取り、お湯を建水に捨てます。
- ここで主客が「お仕舞下さい」と言うので、茶碗を左手に持ったまま一礼して了承します。
- 茶碗を下に置き、「お仕舞いたします」といいます。
- 柄杓の柄を上から持ち、水指から新しい水をすくいます。
- 柄杓を釜の口に戻し、右手を手前に2センチ引き、右手の親指を開いて残りの指と揃え、柄を人差し指と中指先にのせ、肘から右腕を引いて柄杓の柄と一緒に手を切止まで滑らせます。
- 右手の親指と指で輪を作り、柄をゆっくりと下に置きます。
- 茶筅を茶碗の中ですすぎ、上にあげて穂先を調べます。
- 右手で茶巾を茶碗に戻します。
- 茶筅を持ち、茶碗の中に入れます。
- 右手で茶杓を取ります。
- 左手で袱紗を持ち折り、茶杓を清めます。
- 茶杓を下向きにして茶碗に戻します。
- 袱紗を2回叩いて、抹茶の粉を落とします。
- 袱紗を帯に戻し、棗を元の位置に戻します。
- 右手で茶碗を3時の位置で持ち、左手で9時の位置を持ち、さらに、4時半の位置で持って茶碗を棗の横に置きます。
- 柄杓を上から取り、水を水差から一杯すくい、釜に注ぎます。
- 柄杓の合を釜よりも約1合分上にして持ち、注ぎます。
- 釜からお湯を一杯すくい、再び注ぎます。
- 柄杓を体の中心で上向きに持ち、ポーズをとります。
- 右手で釜のふたを閉めます。
- 蓋置きを元の位置に動かします。
- 左手で柄杓を元の位置に戻します。
- 水差の蓋をします。右手で蓋をつまみ、垂直に持ったまま自分の近くに持ってきて、左手で右手のすぐ下を持つ。右手がつまみをつまめるように回転させ、水差に蓋をします。
上記の日本語を英文に直して解説しています。
英語で立礼を学びたい方は Ryuurei Usucha Temae を参考にしてください。
日本語を見ながら瞬時に英語に直す練習を何度も行うと英語力が向上します。
上記の日本語がすらすらと英語で言えるようになるまで練習してください。
裏千家の立礼点前が学べる本
最後に立礼が学べる本をご紹介します。
裏千家の茶道を深く理解するための新しいシリーズ「裏千家茶道 点前教則」の第8巻「裏千家茶道 点前教則8」がおすすめです。
立礼の点茶盤を使用した「薄茶点前」「濃茶点前」「初炭手前」「後炭手前」、および「春秋棚」の点前が収録されており、オールカラー写真で詳細に解説しています。
以下は目次です。
点茶盤 薄茶点前
- 点茶盤の準備
- 薄茶点前の手順
点茶盤 濃茶点前
- 濃茶点前の準備
- 濃茶点前の手順
点茶盤 初炭手前
- 初炭手前の準備
- 初炭手前の手順
点茶盤 後炭手前
- 後炭手前の準備
- 後炭手前の手順
春秋棚の点前
- 春秋棚の準備
- 春秋棚の薄茶点前手順
立礼について詳しく学びたい方はこの本が一番です。
おわりに
ここでは茶道裏千家の立礼点前について、さらに、御園棚点前の手順を詳しく解説しました。
なお、上記の内容は以下の本を参考にしました。
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