英語のネイティブスピーカーは、「これは第何文型かな?」などと考えながら話しているわけではありません。文型を知らなくても、自然に英語を使いこなしています。
では、私たちも文型を気にしなくていいのか?——実はそうではありません。
英語を学び直す大人にとって、「文型=語順の型」を理解することは、正確で伝わる英文を作るための土台になります。
このページでは、英語の基本5文型をわかりやすく解説し、「主格補語」や「目的格補語」など、つまずきやすいポイントもしっかりカバー。
さらに、クイックレスポンス形式の練習で、覚えた文型を自然に使えるようになることを目指します。
英語の基本5文型とは?
英語の文は、一見バリエーションが多いように見えても、基本的には5つの文型に分類することができます。
この「文型」とは、主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)といった要素の並び方=語順のパターンのこと。英語は語順で意味を伝える言語なので、このパターンを理解することが非常に重要です。
ここでは、第1文型〜第5文型のそれぞれの構造と特徴を例文付きで解説します。また、第2文型と第5文型に登場する「補語」に注目し、主格補語と目的格補語の違いについても整理していきます。
第1文型(S+V)とは?
S(主語)+V(動詞)
「~は…する」などの単純な動作を表します。
例文: He works.(彼は働く)
この文型では目的語(O)や補語(C)は使いません。
ただし、「at home」や「in the office」のような修飾語(前置詞句など)が加わって文が長くなることもあります。
第2文型(S+V+C)とは?
「~は…である/…になる」という意味を表す文型です。
このときのC(補語)は主語(S)の状態や性質を説明しており、S = C の関係になります。
例文:
In most cases, the president is the chief executive officer.
(多くの場合、社長は最高経営責任者である)
the president = the chief executive officer
このような第2文型をとる代表的な動詞には、以下のようなものがあります:
- be動詞:is, am, are
- 状態・変化を表す動詞:become, get, feel, look, seem, appear, sound, remain, turn など
第3文型(S+V+O)とは?
「~は…を~する」というように、動詞のあとに目的語(O)が続く文型です。
例文:
I read some documents.
(私は書類を読んだ)
この文型をとるのは他動詞(=目的語が必要な動詞)です。たとえば、read(読む)、eat(食べる)、like(好き)などが該当します。
第4文型(S+V+O1+O2)とは?
「~は…に…を与える」というように、2つの目的語(O1=人、O2=物)をとる文型です。
この文型では、O1が間接目的語(~に)、O2が直接目的語(~を)になります。
例文:
Give me a call.
(私に電話をください)
me(私に)=間接目的語、a call(電話を)=直接目的語
第4文型をとる主な動詞には、以下のような「授与動詞」があります:
- give(与える)
- send(送る)
- show(見せる)
- teach(教える)
- tell(話す)
- buy(買ってあげる)
- pay(支払う)
- sell(売る)など
第5文型(S+V+O+C)とは?
S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語)の形を「第5文型(SVO + C)」と呼びます。
この文型では、C(補語)はO(目的語)を説明・補足する語句になっており、O=Cの関係が成り立ちます。
例文:
These words made our boss happy.
(こうした言葉が社長を喜ばせた)
この文では、
- S(主語)= These words
- V(動詞)= made
- O(目的語)= our boss
- C(補語)= happy
となっており、our boss = happy という関係があるため、第5文型です。
主格補語と目的格補語の違い
主格補語:主語を説明する → 第2文型(SVC)
目的格補語:目的語を説明する → 第5文型(SVOC)
違いを押さえると、英語の構造がクリアになります。
主格補語と目的格補語の違い
補語の種類 | 使われる文型 | 関係 | 例文 | 意味 |
---|---|---|---|---|
主格補語 (Subject Complement) | SVC(第2文型) | S(主語)= C(補語) | He is a doctor. | 彼は医者です。 → He = a doctor |
目的格補語 (Object Complement) | SVOC(第5文型) | O(目的語)= C(補語) | They made him captain. | 彼らは彼をキャプテンにした。 → him = captain |
主格補語(Subject Complement)は、「主語=補語」の関係になり、第2文型(SVC)のときに使われます。
目的格補語(Object Complement)は、「目的語=補語」の関係になり、第5文型(SVO + C)のときに使われます。
例で比較してみましょう。
主格補語(SVC):
He is a teacher.(彼は先生です)
S(He)= C(a teacher)
目的格補語(SVO + C):
They elected him president.(彼らは彼を大統領に選んだ)
O(him)= C(president)
つまり、補語が説明している対象が主語なのか目的語なのかによって、「主格補語」か「目的格補語」かが決まるというわけです。
基本5文型 をクイックレスポンスで練習
基本文型について理論がわかっても、実際に使えなければ意味がありません。
ここからは、頭を白紙にしてひたすら自動化するまで練習です。
なお、クイックレスポンスについての詳細や学習方法は英文法はクイックレスポンスで自動化を参考にしてください。
ステップ1 動画での練習
最初は画面を見ながらでもいいですが、徐々に画面を見ないで、音声だけで練習してください。
- 最初に日本語が流れます。それを英語に直してみましょう。(クイックレスポンス)
- その後に正解の英語が流れますので、確認しながら、聞こえた英語を同時または後に続いて発音しましょう。
- 1つの動画を最初から最後まですらすら一度も間違えずにクイックレスポンスができるようになりましたら、その動画は卒業です。次の動画に移りましょう。
ステップ2 確認テスト(日本語を読んで変換)
次に、以下の日本語を英語に瞬時に訳してみましょう。すらすらできたら卒業です。
すらすらできなければ、動画に戻って練習してください。
動画で十分練習したら、再度チャレンジです。
- 彼は公園で遊ぶ。(第1文型)
- 私は学校に行く。(第1文型)
- 私は気分が悪い。(第2文型)
- 彼は若く見える。(第2文型)
- 私はボールを持つ。(第3文型)
- その少年はテニスをする。(第3文型)
- 彼は青色のネクタイをくれた。(第4文型)
- 父親は彼に新しいバットを買ってやった。(第4文型)
- 彼女は自分の猫をタマと呼ぶ。(第5文型)
- こうした言葉が社長を喜ばせた。(第5文型)
解答はこちらです。
- He plays in the park.
- I go to school.
- I feel bad.
- He looks young.
- I have a ball.
- The boy plays tennis.
- He gave me a blue tie.
- His father bought him a new bat.
- She calls her cat Tama.
- These words made our boss happy.
動詞の書籍
また、文型を作るうえでもっとも重要なのは動詞です。
文型をしっかりと理解し、動詞が正しく使い分けられるようになれば、かなり会話力が上達します。
動詞に関してはいい本が何冊かありますので、これらを参考にしてください。
漫画なので、読み物としても面白いです。
英語が苦手な方ぜひ、読んでみてください。
有名な瞬間英作文シリーズで、基本動詞に絞ったものです。
おわりに
ここでは基本文型について解説してきました。
矛盾するようですが、文型をいったん理解したら、考えずに自然に口からでるようになるまで何度も練習しましょう。
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