英語の前置詞をイメージで覚えよう!

前置詞 英文法・英語教材

前置詞はただの記号ではありません。ちゃんとした意味があります。

たとえば、onを「上」とだけ覚えていると、「壁に」になんでonを使うのかわからないですよね。

ある知り合いの小学校の先生から児童に「上じゃないのになんでon the wallなんですか」と聞かれて返答に困ったという話を聞きました。

そこでここではそれぞれの前置詞が持っているイメージについて解説します。

これらをしっかり理解して、クイックレスポンスですらすら使えるようになりましょう。

なお、クイックレスポンスというのは、日本語を見たら・聞いたら瞬時に英語に直すというもので、通訳学校でよく行われている訓練法です。

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前置詞をイメージで覚えよう

前置詞にもちゃんと意味がありますので、それらの意味をしっかり理解して、細かいニュアンスの違いをしっかり理解しましょう。

ここではよく使う前置詞について解説します。

前置詞  in, onのイメージ

inとonの基本的な考え方はこちらになります。

  • in はある物の中に
  • on はある物の上に・表面に・接触して

いくつか例を出しながら解説します。

  • The scientist have built a second home on the ocean in Naha .
  • (科学者は, 那覇の海に面した別荘を建てた)

この別荘は那覇市の中にあるので, “in Naha”となり、海に面し、接触していることから”on the ocean” と表現されます。

  • She left in a hurry on an errand.
  • (彼女はあわててお使いに出た)

彼女自身が、あわてている状態(の中)にいると考えられます。

そのため“in a hurry” は “in”を使います。

一方、彼女自体とその “errand”(お使い)とは、接触していると考え、”errand” には “on” を使います。

  • In the evening, she usually walks her dog.
  • (夕方はふつう犬を散歩に連れていく)

eveningという時間の中に, 彼女は犬と一緒に散歩をしているというイメージがあるため、inになります。

  • The last time she walked her dog was on the evening of July 15.
  • (最後に犬を散歩に連れて行ったのは、 7月15日の夕方だった)

“最後の散歩”を具体的に“the evening of July 15”という“時点”をはっきり示して、その時間に接触していると考えます。

つまり、具体的な“時”を明白にする場合(その時に接触)は、“on“を使います。

乗り物に乗るは on か inか?

よく乗り物に乗るという場合、大きな乗り物はget onで、小さな乗り物の場合はget inと説明しているものがありますが、これは正しくありません。

たとえば、大型トラックはget onではなく、get in the truckといいます。

また、それより小さな中型のバスに乗ることは get onを使います。

乗り物の場合、乗る人と乗物に対する意識の上での距離間でin かonが決まります

たとえば、airplane, ship, bus などは、乗る人は一人の乗客にすぎません。

乗物の運転に対し、影響を与えることはほぼなく、乗客は貨物のように運ばれています。

つまり、“決まったルートを目的地までずっと接触している”という捉え方のため、onが使われます。

一方、car, taxi, truckなどは、ただ「運ばれる」のではなく、乗物の運転と自分との間につながりが感じられます。

つまり、乗物の中を支配まではいきませんが、目的地など細かく決めることができるため、inを使用します。

以上の説明は名著「日本人の英語」を参考にしました。

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inは静のニュアンス・on は動のニュアンス

これらを他のいい方で表すと以下のようにも分けられます。

  • inは静のニュアンス
  • on は動のニュアンス

in timeとon timeで解説します。

in timeは“間に合う”ですが、これは、“ある間(の中)”に入っているという考えであり、その中に入っているということは静のニュアンスがあるるため、inが使われます。

一方、on timeは“時間通り”で、中に入っているということよりも“間”が小さく、一瞬でぴったりと合っている、接触していると考えられ、中に入っているのではなく、接触しているだけですので、inよりも動のニュアンスがあります。

その他の例として以下のようなものがあります。

in hearing the news (その知らせを聞く場合)
on hearing the news  (その知らせを聞いたとたん)

in demand  (需要がある)
on demand (要求があればすぐに)

DVD players are in demand all over the world.
(DVD プレーヤーは全世界において需要があります)

We can supply 5,000 items on demand.
(われわれは要求があり次第,5千個出荷でます)

前置詞 at, inのイメージ

ポイントはこちら。

  • atは「小さな一地点」「点」
  • inは「広い地域」「容器の中」

I changed trains at Ikibukuro Station.
私は池袋駅で電車を乗り換えました。

⇒これは路線図が想像されたときに、路線図上の「池袋という地点で」という意識のためにatが使われます。

I did some shopping in Ikebukuro Station.
池袋駅でちょっと買い物をした。

⇒「池袋駅の中で」という空間的な意識が生まれるため、inを使います。

前置詞 on, over, aboveのイメージ

ポイントはこちら

  • onは「表面に接触している」
  • overは「何かの上部にある」
  • aboveは必ずしも真上ではなく「より高い所に,~以上」

There is a blue label on the box.
(その箱には青いラベルがはってある)

The light hangs over the table.
(照明はテーブルの真上に吊してある)

The clouds are above the mountain.
(山の上に雲が浮かんでいる)

overについて少し詳しく解説します。

overの基本イメージは、「何かの上部にある」というとことです。

We put white sheets over all the furniture.
(白いシーツで家具を覆う)

これは「何かの上部にある」ことから、「覆う」というイメージに派生した例です。

I’m getting over a bad cold.
(悪い風邪を乗り越えた・克服した)

これは 「何かの上部にある」ことから 「乗り越える」というイメージに広がった例です。

ちなみにover one’s headになると「理解できない・わからない」という意味もあります。

This book is over my head.
(この本は難し過ぎて分からない)

前置詞 among, betweenのイメージ

ポイントはこちら

  • amongは「ごちゃごちゃした雑多な集合体の中」
  • betweenは「ハッキリとしたものの間」

There’s an orangutan among the trees.
オランウータンが木の間にいるよ。

⇒amongを使うと、いくつもの「ごちゃごちゃ」した木の中にオランウータンがいる様子が思い浮かべられます。

There’s an orangutan between the two trees.
オランウータンが2本の木の間にいるよ。
⇒betweenを使うと2本の「ハッキリと分かれた」木の間にオランウータンがいる様子が思い浮かべられます。

前置詞 underneath, under, belowのイメージ

ポイントはこちら

  • underneathは「接触して下に」
  • underは「はなれて真下に」
  • belowは「より低い所に,~以下」

それぞれon,over,aboveに対応します。

She found the book underneath a pile of newspapers.
(彼女は新聞の束の下にその本を見つけた)

The car was parked under a large tree.
(その車は大きな木の下に駐車していた)

She wore her jeans just below her bellybutton.
(彼女はジーンズをへその辺りを出す形ではいていた)

前置詞 to, for, toward(s)のイメージ

ポイントはこちら

  • toは 動く方向を示す+目的地への到着(どちらの方向に向かうのかと目的地への到着も示す)
  • forは目的地を示す(実際に到着したかどうかは不明)
  • toward(s)は漠然と「そちらの方へ」と方角を示すだけ

He went to Tokyo. (東京に行って、東京に到着した)

He went for Tokyo.(東京に行くのが目的だけで、実際に到着したかどうかは不明)

He went toward Tokyo. (東京に行くのは目的でない。単に、東京の方へ行ったという意味)

前置詞 by, untilのイメージ

ポイントはこちら

  • byは「近く・そば・近寄って・接した」
  • untilは「ある時点まで同じ状態が続くこと」


I need to finish this report by 11:00.
この報告書を11時までに仕上げる必要があります。

⇒11時という時間の「近く」までに終わらせなければならないということになります。
 
I’ll wait for you until/till 7:00.
7時まで君を待つよ。

⇒until/tillでは7時まで待つという「状態が続く」ことを表します。

She caught me by the hand.はなぜbyを使うのか?

catch は「動いているものをつかむ」イメージです。

そのためShe caught me. は「彼女は(動いている)私をつかんだ」となります。

by the arm で「その腕を経由して」と言い添えています。

by は、上記にあるように「近く・そば・近寄って・接した」といういみですので、何かに「近寄って・接した」結果、ある状況になったという一連の流れを表しています。

そのため、She caught me by the hand. の場合は、「彼女は動いている私をつかんだ」という状況に至った経緯を by the arm(その腕を経由して)で述べており、「彼女は動いている私の腕をつかんだ」という意味になります。

一方、She caught my hand.になると、動いているのは「私の腕」になります。

なお、上記の解説・例文の一部は以下の本から引用・参考にしています。

もっと詳しく学びたい方はぜひ一読ください。

NHKの英会話で有名な大西 泰斗先生とポール・マクベイの著者です。

このお二人の番組やDVDなどはほとんどすべて視聴していますが、本当にわかりやすいです。

「音声DL BOOK NHKラジオ英会話 英単語 基本イメージ集中講義」も音声付で英単語の英単語の違いを解説しており、上記の前置詞の説明もかなり参考にさせていただきました。

特に、「音声DL BOOK NHKラジオ英会話 英単語 基本イメージ集中講義」はamazonのkindleのunlimitedの無料体験で無料で読めます。

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前置詞をクイックレスポンスで練習

英文法を理解しただけでは英語は上達しません。

それを実践で使えるようになるには、とにかく,何度も口に出して言ってみることが必要です。

語学はスポーツと同じで,ルールだけ知っていても上達しません。

何度も練習することによってはじめて実践で使えるような英語が身に付きます。

その練習をするための練習方法として、おすすめなのが、「クイックリスポンス」です

随分前に、「瞬間英作文」という本がベストセラーになりましたが、こちらはクイックレスポンスがもとになっている訓練法です。

なお、クイックレスポンスについての詳細は英文法はクイックレスポンスで自動化を参考にしてください。

ここからは、頭を白紙にしてひたすら自動化するまで練習です。

前置詞の使い方など理論がわかっても、使えなければ意味がありません。

ステップ1 動画での練習

最初は画面を見ながらでもいいですが、徐々に画面を見ないで、音声だけで練習してください。

  1. 最初に日本語が流れます。それを英語に直してみましょう。(クイックレスポンス)
  2. その後に正解の英語が流れますので、確認しながら、聞こえた英語を同時または後に続いて発音しましょう。
  3. 1つの動画を最初から最後まですらすら一度も間違えずにクイックレスポンスができるようになりましたら、その動画は卒業です。次の動画に移りましょう。

ステップ2 確認テスト(日本語を読んで変換)

次に、以下の日本語を英語に瞬時に訳してみましょう。すらすらできたら卒業です。

すらすらできなければ、動画に戻って練習してください。

動画で十分練習したら、再度チャレンジです。

  1.  その箱には青いラベルがはってある。
  2. もし急行に乗れば,私たちは7時までに家に着くでしょう。
  3. 私は8月に外国へ行く予定です。
  4. 彼らは山を掘り抜いて長いトンネルをつくった。
  5. 彼の家は角を曲がったところにある。 
  6. 彼女は新聞の束の下にその本を見つけた。
  7. 私たちは数分のうちに東京駅に着くでしょう。
  8. 山の上に雲が浮かんでいる。
  9. その病院は駅の近くにある。
  10. この高速道路は海岸をずっと走っている。
  11. 彼らは国境を越えた。
  12. 家のうしろには美しい日本風庭園がある。

解答はこちらです。

  1. There is a blue label on the box.
  2. If we take the express, we’ll get home by seven o’clock.
  3. I am going to go abroad in August.
  4. They built a long tunnel through the mountain.
  5. His house is around the corner.
  6. She found the book underneath a pile of newspapers.
  7. We will arrive at Tokyo Station in a few minutes.
  8. The clouds are above the mountain.
  9. The hospital is near the station. 
  10. This highway runs along the seashore.
  11. They drove across the frontier.There is a beautiful landscape garden at the back of the house.

これらの英文は「学び直し英文法」からの抜粋です。

より詳しく前置詞やクイックレスポンスを学びたい方は参考にしてください。

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全部で30のキャラたちが、日本人にはいま一つ、つかみきれなかった「前置詞」を、わかりやすく楽しく解説してくれます。

ベレ出版の使い分けBOOKシリーズの一冊です。

前置詞が持つ意味ごとにイメージイラストで解説しており、こちらもわかりやすいです。

おわりに

ここでは英語の前置詞の意味を解説してきました。

前置詞の意味やイメージをしっかりおさえたら、次にすらすら口から出てくるようにクイックレスポンスで練習です。

すらすらいえるようになるまで何回も練習してください。

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