裏千家の盆略点前:手順から道具・セット・テーブル盆略点前まで解説

盆略手前 茶道

茶道の基本である盆略点前に挑戦したいけれど、どこから始めればいいか分からない…。

手順や道具の選び方が難しいと感じていませんか?

本記事では、裏千家の盆略点前に関する手順の詳細、必要な道具、セットの選び方から、初心者向けのテーブル盆略点前の解説まで、幅広い情報を網羅しています。

裏千家の基本に基づいた正確な手順や、専門家の視点からおすすめの道具セットを紹介することで、どんな初心者でも自信を持って盆略点前を学べる内容になっています。

この記事を読むことで、あなたも自宅で気軽に裏千家の盆略点前を楽しめるようになり、茶道の奥深い世界に一歩踏み出すことができます。

早速、盆略点前の魅力を探求してみましょう!まずは、手順と道具の基礎から確認してみてください。

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盆略点前とは?

盆略点前は、裏千家十三代圓能斎が考案した茶道の作法の一つです。

この点前は、茶道の初心者が最初に学ぶ基本的な点前として知られています。

伝統的な茶道に比べ、動作や道具が簡略化されているため、短時間で習得しやすく、茶道の基礎を学ぶための入門点前として最適です。

盆略点前は、直径30cmほどの丸盆の上に必要な道具を配置して行います。

使う道具は茶碗、茶筅、茶杓、棗、茶巾、建水、湯器などで、これらをすべて盆の上に乗せ、限られたスペースで実践できるのが特徴です。

道具の数が少なく、持ち運びも容易なため、茶室だけでなく、家庭やオフィス、さらには屋外でも行うことが可能です。

この点前は、正式な茶室で行うこともありますが、洋間や野外で椅子に座ったまま行うテーブル盆略点前もあります。

テーブルでの点前は、正座が難しい人や足腰に負担をかけたくない人にも適しており、気軽に茶道を楽しむ手段として人気があります。

また、盆略点前では、瓶掛の上に取っ手のついた鉄瓶を置くのが基本ですが、急須や湯沸かしポットなどで代用することも可能です。

これにより、初心者でも簡単に道具を揃えられ、実践がしやすくなります。

盆略点前は、茶道の基本を身につけるのに最適な点前であり、短時間で茶の湯の精神に触れることができる点が大きな魅力です。

盆略点前の読み方は?

「盆略点前」は、「ぼんりゃくてまえ」と読みます。

この読み方は、茶道を学ぶ上で基本的な知識の一つであり、特に茶道初心者が最初に覚えるべき重要な言葉です。

「盆略点前」という言葉は、「盆に略式の点前を行う」という意味から来ています。

「盆」は、点前で使用する丸いお盆を指し、「略」は簡略化された手順を意味します。

このように、盆略点前は、限られたスペースや少ない道具で行う点前として設計されています。

盆略点前の歴史と起源

盆略点前は、裏千家の千宗旦(1578年 – 1658年)の時代に起源を持つ、茶道の簡略化された形式です。

千宗旦は茶道を広く普及させるため、より簡単で短時間で行える点前を工夫し、その結果生まれたのが「盆略点前」です。

「盆略」という名前は、「盆の上に簡略に行う」という意味からきています。

初心者や茶道を学び始めたばかりの人々でも実践しやすい点が特徴です。

盆略点前は、元々は茶道の初心者に対して基本的な動作を学ぶために導入されました。

短時間で習得でき、必要な道具が少ないことから、茶道の普及や入門者への教育手段として重宝されました。

20世紀以降、特に都市部での生活様式の変化に伴い、限られた時間やスペースでも行える点が評価され、広く取り入れられるようになりました。

また、近年では国際交流の場でも使用されることが増え、海外でも茶道の導入として人気があります。

茶道の中で、盆略点前は他の形式に比べて、簡潔で親しみやすい入門点前として位置づけられます。

例えば、正式な点前(濃茶や薄茶など)に比べ、道具や手順が少ないため、初心者や外国人にも理解しやすい形式です。

また、茶道の基本的な精神である「和敬清寂」の実践にも十分対応しており、基本的な所作を習得するのに最適な点前とされています。

現在でも、茶道教室や茶会の場で初歩的な教育用として広く用いられており、茶道文化の普及を支える役割を担っています。

盆略点前に使う道具

盆略点前に使う道具は以下の10点です。

  • 山道盆
  • 鉄瓶
  • 瓶掛
  • 茶碗
  • 茶筅
  • 茶杓
  • 建水
  • 袱紗
  • 茶巾

山道盆(やまみちぼん)

盆略点前に使うお盆は山道盆で「やまみちぼん」と読みます。

縁がやや高く、山道のように起伏があるため、山道盆という名前がつきました。

練習用のプラスチックだと1,200円ぐらいで購入できます。

いろいろ気にせず気軽に使えます。

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やっぱりプラスチックではちょっとという方には、木製は7,000~8,000円くらいからあります。

鉄瓶(てつびん)

盆略点前には鉄瓶(てつびん)を使います。

鉄瓶とは、鉄でできたやかんのような湯沸かし器です。

有名なのは南部鉄瓶で岩手県の特産品の一つです。

瓶掛(びんかけ)

盆略点前には鉄瓶を載せるための瓶掛(びんかけ)を使います。

瓶掛とは鉄瓶をかける火鉢のことで、風炉を少し小さくしたものです。

茶碗(ちゃわん)

まずは、茶碗(ちゃわん)は必要ですね。

安いものは1,000円ぐらいからあります。

ただ、薄い茶碗だと熱いお湯を入れると熱くて持つのが大変です。

私は茶碗に厚みがあり、渋い感じの「黒楽」が好きです。

茶筅(ちゃせん)

お茶を点てるのに絶対必要な茶筅(ちゃせん)です。

茶碗に抹茶とお湯を入れた後に、かき回すための道具が茶筅です。

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茶筅は、痛みやすく、変形しやすいので、茶筅のくせ直しのセットを購入されることをおすすめします。

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棗(なつめ)

棗(なつめ)はお茶を入れる入れ物です。

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安いものから高い高価なものがあります。

安いプラスチック製のもののほうが、扱いが楽ですので、練習用にはおすすめです。

茶杓(ちゃしゃく)

茶道でスプーンの役割をする茶杓も必要です。

茶杓(ちゃしゃく)は棗から茶碗に抹茶を入れるときに使うものです。

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建水(けんすい)

建水(けんすい)は茶碗を清めたり温めたりしたときに使った湯や水を捨てるために使うものです。

こちらも必要になります。

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袱紗(ふくさ)

袱紗(ふくさ)も必須です。

袱紗は折りやすさでいうと断然正絹です。

ちょっと値が張りますが、正絹をおすすめします。

安い正絹でないものは、本当に折りにくいです。

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茶巾(ちゃきん)

お茶碗をふくための茶巾(ちゃきん)も必要です。

盆略点前のおすすめのセット

上記のものをすべて揃えるの結構面倒くさいですよね。

そのような方には、鉄瓶と瓶掛以外が1つのになった盆略手前のセットがあります。

安いもので、6,000円代からあります。

こちらは茶筅の「くせ直し」が入っており、「徳増茶道具専門店」は何度か利用していますが、いいものを安く売っているお店なので、おすすめです。

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それから茶道具は収納に困ってしまうことがあります。

そのような方には、千歳盆セットがおすすめです。

千歳盆セット(蓋のついたお盆セット)は多くの場合、蓋の部分を盆略点前の山道盆として使用できます。

私はこちらの千歳盆セットを持っておりますが、そのまま収納箱の代わりになりますし、中に入っているセットもいいものばかりでとても満足しています。

その他、もっと気軽なカジュアルな可愛いおしゃれな茶道具セットをおすすめ茶道具セット7選で紹介しています。

盆略点前における鉄瓶の使い方

盆略点前では、鉄瓶は湯を沸かすための主要な道具として使用されます。

鉄瓶は、湯を均一に加熱し、長時間保温する能力に優れています。

この特性により、湯温が安定し、抹茶の風味を引き立てることができます。

特に、抹茶を点てる際の湯温管理が重要な盆略点前において、鉄瓶はその効果を最大限に発揮します。

鉄瓶の選び方

容量: 盆略点前に適した鉄瓶の容量は、1〜2リットルが理想的です。この容量は、複数回の点前に必要な湯を確保するのに十分であり、持ち運びもしやすい大きさです。

こちらは1ℓの鉄瓶です。

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こちらは2ℓの鉄瓶です。

取っ手: 持ちやすい取っ手があるものを選ぶと、湯を注ぐ際に安定します。特に、木製やラタン巻きの取っ手は、熱を遮断し、手を守るのに役立ちます。

こちらがおすすめです。

重さ: 鉄瓶は重さがあるため、片手で持ち上げられる重さのものにしましょう。一方で、適度な重さの鉄瓶は安定感があり、湯を注ぐときにも安心感があります。

鉄瓶の使い方

  • 湯の準備: 鉄瓶に水を入れ、弱火でゆっくりと加熱します。急激な加熱は鉄瓶の内部にダメージを与える可能性があるため、避けてください。
  • 湯の注ぎ方: 湯が沸騰したら、鉄瓶を持ち上げて茶碗に湯を注ぎます。湯量を調整しながら、抹茶の濃さをコントロールすることが大切です。
  • 保温性の活用: 鉄瓶の保温性を活かして、点前中に湯が冷めにくくなるようにします。湯が冷めないように、鉄瓶は蓋を閉めた状態で使用すると良いでしょう。

鉄瓶のメンテナンス

  • 乾燥: 鉄瓶は錆びやすいため、使用後は必ず内部を乾燥させることが必要です。湯をすべて捨てた後、弱火で内部をしっかり乾かすことで錆の発生を防ぎます。
  • 湯垢の管理: 鉄瓶の内部には湯垢が付着しますが、これは湯の味をまろやかにし、鉄瓶を保護する役割を果たします。湯垢を完全に洗い落とさず、適度に残しておくことが推奨されます。
  • 外側の掃除: 外側は乾いた布で拭き取るだけで十分です。水気が残らないようにし、サビの発生を防ぎます。

鉄瓶のメリットと注意点

  • メリット: 鉄瓶を使うことで、湯がまろやかになり、抹茶の味わいが深まります。また、鉄分が湯に溶け出すことで、健康面でもメリットがあります。
  • 注意点: 鉄瓶は重く、取り扱いに注意が必要です。また、錆びやすいため、メンテナンスを怠ると劣化が早まります。特に、内部の乾燥をしっかり行うことが大切です。

盆略点前におけるお盆(山道盆)の選び方

盆略点前では、お盆が茶碗や茶筅、棗などの道具をすべて乗せる重要な道具です。

お盆を使用することで、道具を整然と配置でき、限られたスペースでも効率的に点前が行えます。

お盆は、動作を支える基盤であり、正しい位置に配置することで、所作がよりスムーズになります。

山道盆の特徴と選び方

山道盆は、「やまみちぼん」と読み、盆略点前で最も一般的に使用されるお盆です。

縁が高く、中央がやや盛り上がった形状が特徴で、これにより道具の配置が安定し、点前がしやすくなります。

手前の印

山道盆には、手前を示す印が付いていることが多く、使用者の手前側に来るように配置します。この印は、小さな金色や銀色の刻印や模様で示されることが一般的です。正しい配置をするためには、手前の印を見つけて使用することが重要です。

サイズ

盆略点前で使われるお盆の標準的なサイズは直径30cm程度です。

これにより、茶碗や茶筅、棗などを整然と配置でき、持ち運びにも適しています。

材質

漆塗りの山道盆: 伝統的な漆塗りは、茶道らしい風格を持ち、正式な場での使用に適しています。滑らかな手触りで、道具との調和が取れます。

プラスチック製の山道盆: 軽量で持ち運びが簡単なプラスチック製は、初心者や家庭での練習に最適です。

価格も手頃で、手入れが簡単です。

山道盆の使い方と手入れ方法

  • 道具の配置
    • 山道盆の上には、手前の印が使用者側に向くように配置し、茶碗、茶筅、茶杓、棗、茶巾、建水の順に整えます。両側が高くなっているため、道具が安定し、点前中の動作がスムーズになります。
  • 手入れ方法
    • 漆塗りの山道盆: 湿気を避け、使用後は乾いた布で優しく拭き取ります。湿度の高い場所での保管は避け、直射日光も避けるようにしてください。
    • プラスチック製の山道盆: 水洗いが可能ですが、強力な洗剤の使用は避け、軽くすすいで柔らかい布で拭き取ります。

山道盆のメリットと注意点

メリット: 山道盆の特徴的な形状により、道具の配置が安定し、持ち運びが容易です。これにより、家庭や屋外でも茶道を楽しむことができます。

注意点: 漆塗りの山道盆は特にデリケートで、扱いに注意が必要です。傷が付きやすいため、柔らかい布で拭き取るなど、丁寧な手入れを心掛けましょう。

盆略点前の置き方は?

盆略点前の置き方は、以下のようになります。

盆略点前の置き方

点前畳中央に瓶掛・鉄瓶など湯の用意し、鉄瓶の蓋は湯気を抜くために少し切っておきます。

山道盆は綴目を手前に置きます。

向うに棗、手前に茶碗をのせます。つまり、12時の位置に棗、6時の位置に茶碗を置きます。

場所を示すのに、海外では時計の針をよく使います。

私は海外で茶道を習いましたので、先生からは「9 o’clock position」というような感じで習いました。

便利でわかりやすいです。

お茶碗には、茶巾を絞ってたたみ、湯通しして温めておいた茶碗に入れます。

さらに水で清めた茶筅をかかり糸の結び目が上になるように茶碗に仕込み、茶杓を茶碗の右側に伏せて載せます。

裏千家の盆略点前の手順

ここでは盆略点前の手順・順番を解説します。

道具を清める

各道具は事前に水屋で丁寧に洗い、綺麗にします。したがって、この客の前での「清めの作業」は、「物理的な清め」というより、「精神的な清め」の意味合いが強いといえます。

  • 茶碗、棗を仕込んだ盆を茶道口建付に置いて襖を開け主客総礼します。
  • 盆を両手で持ち、瓶掛の前に進んで座り、膝前に盆を置いて、水屋に下がります。
  • 建水を左手に持ち、盆の前に進んで座ります。
  • 建水を左膝横に置きます。
  • 亭主は袱紗をたたみ、袱紗で棗を清めます。
  • 次に袱紗を折って、茶杓の先まで数回滑らせながら清めます。
  • 茶杓の上面と下面を清めます。
  • 茶杓は、茶碗の横の盆の手前側に斜めに置き、盆の縁に柄を乗せる。
  • 茶碗から茶筅を取り、お盆の 1時30分 の位置に置きます。
  • 次に、茶碗から「茶巾」と呼ばれる麻のナプキンを取り出し、お盆の 3 時の位置に置きます。

茶筅通しを行う

  • 水筒を左手でつかみ、茶碗にお湯を注ぎます。
  • 茶筌を右の手を取り、茶碗の 3 時の位置に茶筌を置きます。
  • 茶筅を持ち直し、上にあげ、回転させて、戻します。
  • 2 回繰り返します。
  • 茶碗の中で、穂先をさらさらと(前後の動きで)清めます。
  • 右手で茶碗を取り、左手に持ち替え、建水に水を捨てます。

茶碗を清める

  • 右手で茶巾を取ってください。 
  • 左の親指の右上の茶碗の縁に掛けます。
  • 茶碗を拭くために親指から親指に 3 回回転します。
  • 茶碗の内側を拭くために茶碗の内側に茶巾を戻してください。
  • 茶碗は、右手でお盆に戻します。

茶を入れて点てる

  • 茶杓を取って、「お菓子をどうぞ」といって客にお菓子をすすめます。
  • 左手で棗を取り、右の手で棗の蓋を取ります。
  • 棗から抹茶を茶杓で2杯入れます。
  • 茶杓で茶碗の縁を軽くたたいて、余分な粉茶を落とします。
  • 棗の蓋ーを閉め、お盆の上に棗を戻します。
  • 茶碗にお湯を注ぎます。
  • 茶筅を取り、お茶を点てます。
  • 茶筅をお盆に戻します。
  • 右手で茶碗を取り、左の手のひらの上に置きます。
  • 茶碗の中心を客に向けるために、茶碗を時計回りに2回回します。

客のお茶の飲み方・お菓子の食べ方は以下を参考にしてください。

道具を片付ける

  • 客が薄茶を飲んだ後、茶碗を主人に返します。
  • 右手で茶碗を取り、左の手のひらに載せて中を確認します。
  • 茶碗にお湯を注ぎます。
  • 右手で茶碗を取り、左手に移して、建水にお湯を捨てます。
  • 客から亭主に「どうぞお仕舞を」という挨拶があれば、これを受け、お辞儀をしながら「お仕舞いたします」と挨拶します。
  • 再び茶碗にお湯を注ぎます。
  • 茶筅をとり、茶筅通しをします。
  • その茶筅の柄を茶碗の縁に置き、茶筅をお盆に戻します。
  • 右手で茶碗を取り、それを左手に移して建水にお湯を捨てます。
  • お盆から茶巾を取り、茶碗の中に置きます。
  • 茶碗の中に茶筅を置きます。
  • 茶杓を清めます。
  • 茶杓を茶碗に置きます。
  • 抹茶を払うために建水のうえで2回袱紗を軽くたたきます。
  • 袱紗を腰につけます。

テーブルでの盆略点前

テーブルでの盆略点前は、通常の盆略点前をテーブルの上で行うようにアレンジされた形式です。

正座が不要で、椅子に座った状態で実践できるため、足腰に負担をかけたくない人や、高齢者、海外の人々にも適した形式です。

基本的な所作や手順は、畳の上で行う通常の盆略点前とほぼ同じですが、テーブルの高さに合わせた動きが必要になります。

道具と手順

  • 道具
    • テーブルでの盆略点前では、基本的な道具は通常の盆略点前と同じですが、テーブル上で扱いやすいよう、軽量でコンパクトなものが適しています。道具は、テーブルの上に置きやすいように配置されます。
    • 丸形の盆: 直径約30cm程度の小型の丸盆がテーブル上で使いやすいです。
    • 茶碗、茶筅、茶杓、棗、茶巾、建水、湯器: いずれも通常の盆略点前で使うものと同じです。
  • 手順
    1. 準備: すべての道具をテーブルの上に置きます。丸盆を中心に据え、道具を整理整頓して配置します。
    2. 茶碗の配置: 茶碗を持ちやすい位置に置き、茶杓を使って棗から抹茶をすくい、茶碗に入れます。
    3. お湯の注ぎ方: 湯器または湯冷ましから適量のお湯を茶碗に注ぎます。テーブルに合わせて手首を軽く使いながら、動作をスムーズに行います。
    4. 茶筅の使い方: 茶筅を使って抹茶を点てます。テーブルの高さに合わせて、手首を小さく使うことで、コンパクトな動作が可能です。
    5. 茶のいただき方: 点てた抹茶をいただきます。茶碗の回し方や持ち方は通常の盆略点前と同じです。
    6. 片付け: 茶碗や茶筅などの道具を元の位置に戻し、片付けます。

メリットと注意点

  • メリット
    • 正座が不要: 椅子に座ったまま行えるため、正座が難しい人でも茶道を楽しむことができます。
    • 身体に優しい: 足腰に負担がかからず、リラックスしながら茶の湯を楽しむことができます。
    • 限られたスペースで可能: テーブルさえあれば、狭い場所でも実践可能です。家庭やオフィス、カフェなど、さまざまな場所で行うことができます。
  • 注意点
    • テーブルの高さ: 手順を行う際、テーブルの高さが重要です。肘が自然に曲がる程度の高さが理想的で、動作がスムーズに行えます。
    • 動作の調整: 通常の盆略点前よりも動作が小さくなるため、手首や腕の動きをコンパクトにする必要があります。茶筅を使う際は、手首を柔らかく使いながら、泡立てるように意識します。

盆略点前を学べるおすすめの本

裏千家の盆略点前を学べる一番のおすすめの本はもちろん教本です。

教則は、裏千家が出している公式テキストなので、まずはこの本は必須。

次におすすめなのは、こちらの「DVD茶道教室」です。

というよりも、まったくの初心者はDVD付きの「北見宗幸DVD茶道教室」を強くおすすめします。

YouTubeにも盆略点前の動画がいくつかアップされていますが、このDVDの詳しさにはかないません。

プロのカメラマンや編集者がDVDを作成していますので、素人YouTuber(私も含めて)は到底かないません。

ものすごくわかりやすいです。

こちらの付属DVDに茶道初心者のころとても助けられました。

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桜井宗幸先生のDVD付きの本です。

桜井先生は裏千家の一族の方ですが、とても気さくな感じの先生です。

桜井先生がDVDで普通に語られるようにお話されています。

こちらもDVD付きですので、わかりやすいです。

なお、裏千家の成り立ちについては日本の茶・茶道の歴史をわかりやすく解説を参考にしてください。

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以下は、「盆略点前のメリットと魅力」および「盆略点前の練習方法と上達のコツ」に関する内容です。

盆略点前のメリットと魅力

ここでは盆略点前のメリットと魅力について解説します。

手軽に学べる

  • 盆略点前は、茶道の中でも比較的シンプルな形式で、基本的な動作を短時間で習得することができます。手順が簡略化されているため、初心者や忙しい人でも取り組みやすく、生活の中に気軽に取り入れやすい点が大きな魅力です。

初心者向け

  • 盆略点前は、初心者でも無理なく始められる点前です。必要な道具が少なく、複雑な動作も少ないため、茶道に初めて触れる方でも安心して学ぶことができます。また、座り方や道具の配置も柔軟にアレンジできるため、体に負担をかけずに学べる点もメリットです。

少ない道具でできる

  • 盆略点前では、茶道に必要な道具が基本的なものに絞られているため、少ない道具で実践可能です。道具の数が少ない分、準備や後片付けも簡単で、限られたスペースでも行えるのが特徴です。さらに、道具が軽量でコンパクトなため、持ち運びもしやすく、自宅以外でも楽しむことができます。

盆略点前の練習方法と上達のコツ

ここでは盆略点前の練習方法と上達のコツについて解説します。

効果的な練習方法

  • 一つの動作を丁寧に繰り返す: 盆略点前は基本動作が多いため、一つ一つの動作を丁寧に繰り返すことが重要です。例えば、茶筅を使った抹茶の点て方や茶碗の持ち方など、基礎動作をじっくりと練習しましょう。
  • 短時間の集中練習: 盆略点前は短時間で行える点前です。最初は10分から15分の短い時間で練習を始め、慣れてきたら徐々に時間を延ばしていくと良いです。
  • ビデオや鏡を使った自己チェック: ビデオで自分の動作を撮影したり、鏡の前で自分の姿勢を確認しながら練習することで、正確な所作を身につけやすくなります。これにより、動作の癖を見つけ、修正することができます。

上達のための具体的なアドバイス

  • 動作の順番を覚える: 盆略点前は手順が決まっているため、まずは一連の動作の順番を覚えることが大切です。手順を紙に書き出したり、チェックリストを作成することで、よりスムーズに覚えられます。
  • 呼吸を意識する: 茶道は心の落ち着きを重視するため、動作中にゆっくりとした呼吸を意識すると、心を落ち着けながら動作に集中できます。呼吸を整えることで、所作も自然とスムーズになり、全体の流れが良くなります。
  • 練習環境を整える: リラックスできる静かな環境で練習することが大切です。道具を整え、邪魔の入らない静かな場所で練習することで、集中力を高め、上達を促進できます。
  • 定期的な練習: 継続的な練習が上達への鍵です。1週間に1〜2回程度、継続的に練習することで、動作が自然に身につきます。

盆略点前を英語で学ぶ

ここからは盆略点前を英語で学びます。

盆略点前を英語で学べる動画

盆略点前を英語で解説している動画です。

なお、これらの英語のスクリプトはBonryakuTemaeにあります。

以下の動画はハワイのバルコニーで行ったテーブルで行った盆略点前です。

テーブルで行う茶道についてもっと詳しく知りたい方は以下を参考にしてください。

なお、上記の動画はUrasenke Tea Procedure Guidebook 1 Introductory Level【英文】裏千家茶道点前教則 1 入門 割稽古・客の心得を参考にしました。

英語で茶道を学ぶ書籍に関しては、茶道を英語で学ぶためのおすすめの書籍で詳しく紹介しています。

盆略点前でよく使う英単語

上記の動画で出てきた重要英単語です。

purify 清める
rim
container入れ物
wipe 拭く
clockwise   時計回り
counterclockwise 時計と反対周りに
scoopすくう
tap軽くたたく
pat手のひらなどで軽くたたく
receptacle容器
dust offほこり・ちりなどを払う

茶道でよく使う英単語に茶道でよく使われる英単語が動詞・名詞・副詞別に掲載されています。

盆略点前で使う英語フレーズ

盆略点前の動画で出てきた覚えておきたい茶道の英語フレーズです。

Purify the tea scoop by sliding the fukusa.
袱紗を動かして茶杓を清めてください。

Take the linen napkin called “chakin” out of the tea bowl.
茶巾を茶碗から出してください。

Place it at 3 o’clock position of the tray.
それをお盆の3時の場所に置いてください。

Rotate the tea bowl three times from thumb to thumb.
茶碗を親指から親指まで3回回して。

上記の動画の英語の全文スクリプトはBonryakuTemaeを参照ください。

英語で茶道を本格的に学びたい方は以下も参考にしてください。

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盆略点前に関するよくある質問(FAQ)

Q
盆略点前の読み方は?
A

「盆略点前」は、「ぼんりゃくてまえ」と読みます。茶道の基本的な用語の一つで、初心者が最初に覚えるべき表現です。

Q
初心者でもすぐに盆略点前を始められますか?
A

はい、盆略点前は初心者でも手軽に始められる茶道形式です。必要な道具が少なく、動作も比較的簡単なため、短時間で基本的な動作を習得できます。初心者向けの道具セットを活用することで、準備もスムーズです。

Q
どのくらいの時間で盆略点前を一通り行えますか?
A

盆略点前は、通常10〜15分程度で一通りの所作が行えるように設計されています。慣れてくると、よりスムーズに進行でき、短時間で茶を点てられるようになります。

Q
盆略点前の所作は他の茶道形式とどのように異なりますか?
A

盆略点前は、他の点前に比べて手順が簡略化されています。道具をすべて盆の上に配置して行うため、動作の範囲が限られ、道具の扱いもシンプルです。これにより、茶道の基本を学びながら、スムーズに進行できるのが特徴です。

盆略点前は、他の点前に比べて手順が簡略化されています。道具をすべて盆の上に配置して行うため、動作の範囲が限られ、道具の扱いもシンプルです。これにより、茶道の基本を学びながら、スムーズに進行できるのが特徴です。

おわりに

ここまで読み進めたあなたも、盆略点前の手順や道具について、理解が深まったのではないでしょうか?最初は少し難しく感じるかもしれませんが、何度も練習するうちに、自然と所作が身についてきます。

この記事では、裏千家の盆略点前に必要な手順の詳細、道具の選び方、セット、テーブル盆略点前について徹底的に解説しました。

初心者向けの詳しいガイドをもとに、正しい道具を選び、手順をしっかり学ぶことで、自宅でも本格的な盆略点前を楽しむことができます。

盆略点前の練習を重ねることで、茶道の基本を身につけ、心地よい時間を過ごせるようになります。自信を持って、茶道の世界へ一歩踏み出しましょう!

さあ、道具を準備して、早速実践してみましょう!最初の一歩を踏み出すことが、茶道の楽しさへの第一歩です。

盆略点前に挑戦したい方は、おすすめしたい方におすすめのセットはこちらです。

お盆が蓋になるので、収納に困りません。

茶道の歴史・精神を学ぶ

客としての作法

おすすめ茶道セット

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