平成25年12月「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、それを前後して、和食のみならず、和菓子も海外で大人気です。
ホームステイや海外に転勤になったときなどに、和菓子のお土産を持って行くととても喜ばれます。
ただ、私はいろいろな国の方に和菓子をお土産として持って行ったことがありますが、地域(ヨーロッパ・アジア・アメリカなど)によって、喜ばれるものがちょっと異なる傾向にあります。
ここではその経験をもとに外国人に和菓子をお土産としてあげる際の注意点を解説し、私が実際に海外にお土産として持っていた、あるいは、海外に送った和菓子のなかからおすすめのものを5つご紹介します。
さらに、 「日本に在住する・来日した外国人へのおすすめの和菓子」 もご紹介します。
「日本に在住する・来日した外国人」 というのは「日本食・和菓子が大好き」という方が多いですし、賞味期限もあまり気にする必要がありません。
そのため、「日本に在住する・来日した外国人へのおすすめの和菓子」は海外にお土産として持って行くものとかなり異なります。
簡単にまとめますと、あんこ系は外国人は嫌いな方が多いので(特に、ヨーロッパ)、賞味期限が長いからといって、特に、ようかん・水ようかんは海外へのお土産として持って行かないほうがいいです。
一方、「日本に在住する・来日した外国人」へのお土産、またはおもてなしは、賞味期限をあまり気にする必要がありませんので、見た目が芸術的な上生菓子やインスタ映えする和菓子(変わった大福など)や 昔ポルトガルから来たカステラがおすすめです。
自己紹介
大学の教員で英語やポルトガル語の本を出版。海外滞在歴6年。ポルトガルにポルトガル人の親族あり。毎年5回ぐらい海外に渡航。
海外在住の外国人に和菓子をお土産に持って行く際の注意点

ここでは、私が今まで行って和菓子のお土産を渡した国(ポルトガル・マルタ・アイルランド・イギリス・韓国・シンガポール・オーストラリア・アメリカ・カナダ)での経験にもとづいてお話します。
ただ、大規模な統計を取ったわけではありませんので、あくまでも「私の周りの外国人は」ということでの話ですが、なんとなく傾向はあるような気がします。
ヨーロッパに和菓子のお土産を持って行く際の注意点
最初に、一番よく和菓子のお土産をあげているヨーロッパについてお話します。
ヨーロッパでは、あんこは嫌われる傾向にあります。
これには理由があり、ヨーロッパでは、ビーン(豆)は甘いものではなく、おかずとして食べている国が多いのです。特に、南ヨーロッパでは。。
そのため甘いとびっくりして、嫌がります。
ところでお米は日本人にとって主食で甘いお米なんてとんでもないですよね。
ポルトガルはお米を牛乳であまく煮て、シナモンをかけるんです。
「お米はデザートではない」という固定観念があるので、私はこのお米のあまいデザートが大っ嫌いで、私の周りの日本人も嫌いな方が多いです。
同じようなことをビーン(豆)に感じるのでしょう。
マルタで折り紙を教えるワークショップを行ったのですが、そのときに賞味期限が長いので、水ようかんをたくさん持って行きました。
大人にも子どもにも不評で大量に残ってしまい、口に入れて吐き出した子どももいました。
50名近くいて、美味しいといった方はほとんどいませんでした。
水ようかんは不評でしたが、折り紙のワークショップはとても好評でした。
この様子は折り紙を海外の子どもたちに紹介:マルタ図書館をご覧ください。
賞味期限が長いからといって、海外のお土産にようかんや水ようかんはやめたほうが無難です。
特に、ポルトガルにはポルトガル人の親族がいるのでよくわかるのですが、あんこはかなり嫌われています。
お土産に白あん(ひよこ)をあげても、「かわいい」と形に喜びますが、味は「うーん。まあまあ」って感じです。
でも水ようかんよりは反応はいいです。
イギリスやアイルランドではもう少しあんこ慣れしているような気もします(あくまでも主観)。
イギリス・アイルランドにはあまいビーン(朝食でよく出るもの)もありますので、甘い豆に慣れているのかもしれません。
では、何がヨーロッパ人に人気かというと、とにかく綺麗な京菓子です。
こちらはポルトガルへの定番のお土産です。
あとは昔昔にポルトガルから伝わったお菓子(カステラや金平糖)は人気ありますね。
当たり前ですが、もとの味は南欧の味をベースにしているので、ヨーロッパ人は無理なく食べられるようです。
北米・オーストラリアに和菓子のお土産を持って行く際の注意点

アメリカ・オーストラリア・カナダなどには、抹茶ブームというぐらいに抹茶が人気ですので、抹茶関係の和菓子・お菓子なら間違いないでしょう。
特に、アメリカのハワイやサンフランシスコなどは日系人が多いので、日本食慣れしていますので、あまり心配することはありません。
韓国に和菓子のお土産を持って行く際の注意点
韓国は、政治的にはいろいろありますが、ヨーロッパやアメリカに長く滞在した後に、韓国に行くと、外国とは思えないくらいほっとした気持ちになります。
それくらい日本と韓国は似ているのでしょう。
そのため味覚も比較的似ており、あんこも好きな方が多いです。
韓国はあまり心配することなく、日本人が美味しいという思うものを持って行くと、ほとんど失敗ありません。
賞味期限は長いもの
あとはどこの国に行こうとも、国を超えるわけですから、飛行機の遅延などまずは、何があるかわかりませんので、海外へのお土産は当然賞味期限が長いものがいいです。
飛行機が遅延して、渡すときにはすでに賞味期限切れなんてこともありえます。
練り切りはとても綺麗なので、外国人は大好きなのですが、練り切りは賞味期限が短いので海外にお土産として持って行くのは難しいでしょう。
海外在住の外国人へのお土産としておすすめの和菓子5選
ここでは外国人へのお土産としてのおすすめの和菓子を紹介します。
実際に私がお土産として渡したものだけをご紹介します。
第1位 綺麗な京菓子
なんといっても見た目が綺麗なものが外国人は大好きです。
こちらの写真をポルトガルの親戚に送っただけで、次はこれを持ってきてくれとせがまれたお菓子です。
ゼリーやグミのようなものが入っています。
私はゼリ―やグミのようなお菓子が好きではないので、こちらの味はあまり好きではありません。
あくまでも外国人が喜ぶものということで1位にしました。
第2位 クアトロえびチーズ
「クアトロえびチーズ」 は先日、海外の親戚に送り、とても喜ばれましたので、2位に入りました。
えびせんという日本のお菓子なのですが、中にチーズが入っており、和洋折衷の、いわゆる日本製のマカロンという感じです。
「クアトロえびチーズ」は香川県の県産品コンクールの最高位受賞をはじめ、瀬戸内おみやげコンクール優秀賞や農林水産大臣賞など数々のコンクールで受賞しています。
4種類のチーズ(カマンベール・ゴルゴンゾーラ・チェダー・モツァレラ)を海老煎餅でサンドしています。
これでしたら外国人もなんの抵抗なく、日本らしい綺麗なお菓子を楽しめます。
通常の和菓子とはちょっと違いますが、軽いですし、しかも賞味期限が6か月と長いので、海外のお土産にぴったりです。
すごくおいしいし、綺麗ですよ。
私はチーズが大好きなので、1位の京菓子よりも断然こちらの方が好きです。
個人的にはこちらが一番おすすめです。
アマゾンなどでも買えますが、アマゾンよりも公式サイトが一番安いです。
たとえば、アマゾンは16袋入り(2790円:送料無料)で公式サイトだと24袋入り(2916円:送料無料)です。
詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
第3位 綺麗な金平糖
金平糖は海外の研究者にお土産としてよく持って行くものです。
「可愛いい」ということで喜ばれます。
また、軽くて小さいので海外でお土産を持ち運ぶのに便利ということもあります。
賞味期限も長いので、心配なくあげられます。
第4位 京都の千寿せんべい

第4位が有名な京都の千寿せんべいです。
千寿せんべい は昭和38年京都にて誕生しました。
ヴァッフェル生地という波型のクッキー生地にクリームを挟んだものです。
せんべいといってもクッキー生地ですので甘いですし、日持ちもしますので、海外へのお土産にもぴったりです。
何度か海外のお土産に持って行きましたが、餡子・せんべいのような癖もなく、クッキー生地ですので、外国人の方も抵抗なく食べられるようでした。
また、「わざわざ京都(外国人には京都有名です)から取り寄せて、持って来たんだよ」というと、とても感激してもらえました。
こちらもアマゾンなどで購入できます。
ただし、こんなレビューがありますので、割れているのが嫌な方は公式サイトから購入したほうがいいです。
2021年8月5日に日本でレビュー済みサイズ名: 40枚入Amazonで購入
ものは美味しいのですが、Amazonで購入するとぼろぼろになった状態でとどきます。
割れもの扱いで届けてもらえないのですかね?
贈答用などを考えているのであれば別のところで購入したほうがいいです。
詳しくは 「鼓月」の公式オンラインショップ をご覧ください。
第5位 抹茶系のお菓子
抹茶カフェや抹茶アイスなどが海外(アメリカ・カナダ・オーストラリアなど)で人気ですので、抹茶系のものもおすすめです。
抹茶のスイーツに関しては以下も参考にしてください。
本当は抹茶の大福とか、お饅頭とかを持って行きたいのですが、賞味期限が長いものが少ないので、探すのが大変です。
こちらの 「抹茶フィナンシェ天峰」 は公式サイトでしたら、賞味期限は発送日から21日以上を保証してくれるので、海外に行く直前に買えばお土産として十分使えます。
茶師の最高位「茶師十段」である六代目東源兵衛氏が焼き菓子のために茶葉を厳選し、「抹茶らしさ」・「抹茶らしい苦み」・「抹茶の味わい」を追求してつかった宇治抹茶「天峰」を100%使用した「 抹茶フィナンシェ天峰 」です。
こちらの動画も参考にしてください。
「 抹茶フィナンシェ天峰 」と「抹茶クリームサンド 天峰 」があり、両方食べてみましたが、 「抹茶フィナンシェ」 のほうが美味しかったです。
何人かの外国人にも食べてもらいましたが、 「 抹茶フィナンシェ天峰 」 のほうが人気です。
抹茶好きな外国人なら絶対喜ぶこと間違いなしです。
詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
日本に在住する・来日した外国人へのおすすめの和菓子5選
「日本に在住する・来日した外国人」というのは、「日本食が大好き」ということで餡子に抵抗ない方が多くいます。
そのため、「海外在住の日本・日本食をよく知らない外国人」とは好みが異なり、また、賞味期限もあまり気にする必要がないので、上記であげた「海外に在住する外国人」へのお土産とはかなり異なります。
ここでは「日本に在住する・来日した外国人へのお土産やおもてなし」としておすすめの和菓子をご紹介します。
第1位 上生菓子
なんといっても芸術的に綺麗な 上生菓子 でしょう。
外国人の方感動しますよ。
どうせなら京都から取り寄せて、特別感を持ってもらいましょう。
外国人へのお土産の和菓子は京菓子が一番です。
こちらは私がよく取り寄せているお店です。
詳しくは以下の公式サイトをご覧下さい。

また、こちらの 上生菓子は「ふるさと納税」の返礼品としてもらえるものです。
「ふるさと納税」は簡単にいうと自分の住んでいる市町村に住民税を納める代わりに、自分が選んだ市町村に納税して返礼品をもらう制度で、とにかくお得な制度です。
寄付をした合計金額から2,000円を差し引いた額が、翌年納める住民税から引かれます。
つまり、そのまま自分の住んでいる市町村に住民税を払っても何ももらえませんが、住民税の代わりに「ふるさと納税」をすれば、寄付した金額に応じた品物がもらえ、実質無料でこんな和菓子がもらえます。
詳しくは楽天のふるさと納税をご覧ください。
こちらの上生菓子は高知県香南市の明治時代の創業以来、100年以上続く夢菓房 武市神栄堂の「上生菓子」です。
冷凍なので長く保存できますので、外国人の方が来られるときに合わせてお出しすることができます。
詳しくはこちら>>>夢菓房 武市神栄堂の「上生菓子」
第2位 いろいろな大福
苺大福をはじめいろいろな大福がありますが、日本在住の知り合いの外国人は皆さん、苺大福をはじめとした大福関係大好きです。
いろいろな変わった大福があり、インスタ映えもしますので、外国人の方喜ばれること間違いなしです。
第3位 水まる餅
第3位は一部で話題になっている京都伏見稲荷の「水まる餅」です。
SNSで26万人が「いいね」をしたそうです。
日本人同様、外国人の方も変わったもの、インスタ映えするものが好きなので、外国人の方も喜ばれること確実です。
我が家でも早速購入しましたが、外国人の親族は大喜びでした。
詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
第4位 ザクザク長崎カステラ
「ザクザク長崎カステラ」を取り寄せ、外国人たち(ポルトガル人・ブラジル人)に食べてもらいましたが、もちろんとても喜んで食べてくれました。
カステラはそもそもポルトガルから来たお菓子ですので、外国人、特に、ポルトガル系の人が好きなのは当たり前ですね。
こちらは初回のみ送料無料で3本5,500円がなんと1,980円です。
ものすごくお得に買えます。
詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
第5位 半熟カステラ
5位もカステラで、今度は「半熟カステラ」です。
こちらは長崎ではなく、福岡です。
ポルトガルの「パン・デ・ロー」(半熟のカステラのようなもの)を真似したと思われるお菓子です。
福岡に出張に行った際に家のお土産に買ってきて、家にいるポルトガル人が大喜びしていました。
外国人と一緒に和菓子を作る
その他、外国人と一緒に和菓子を作るというのも楽しいと思います。
上記の写真は下北半島に伝わる郷土菓子「べこもち」の伝統技法を現代風にアレンジしたのが「デコもち」です。
こんなのを一緒に作ると楽しいですね。
また、海外で「デコもち」のスクールを開くこともできると思います。
詳細は以下のヒューマンアカデミーの通信講座「デコもち通信講座」の公式サイトをご覧ください。
また、日本安全食料料理協会(JSFCA)主催の「和菓子ソムリエ資格」と日本生活環境支援協会(JLESA)主催の「和菓子パティシエ資格」の資格が取れる通信講座もあります。
小原木本舗大徳屋長久の竹口久嗣先生の監修されたテキストに沿って学習していく通信講座です。
本格的に和菓子を学んで、資格を取得して外国人の方に和菓子を教えるスクールを開くのもいいですね。
詳細は以下のリンクでご確認ください。
まとめ
外国人に和菓子をお土産として持って行く際の注意点とおすすめの和菓子を私の体験談をもとに、「海外に持って行く場合」と 「日本に在住する・来日した外国人をもてなす場合」と分けてお話ししました。
まとめますと以下のようになります。
海外に和菓子をお土産として持って行く場合
- とにかく見た目が綺麗な京菓子などがおすすめで、賞味期限が長いからといって、ようかん・水ようかんは嫌いな方(特に、ヨーロッパ)が多いので持って行かないほうがいいです。私のように吐き出されることもありますよ。
日本に在住する・来日した外国人に和菓子でもてなす・お土産にあげる場合
- 見た目が芸術的な上生菓子やインスタ映えするお菓子(苺大福など)がおすすめです。その他無難なのは、昔ポルトガルから来たカステラです。
また、和菓子だけでなく、親しい方やホームステイ先へのお土産には、茶道セット(おすすめ茶道具セット7選を参考に)を持っていって、抹茶のたて方や抹茶の飲み方を教えてあげるととても喜ばれます。
以下は英語で和菓子や茶道が学べる教材です。参考にしてください。
和菓子
茶道を英語(全般)
客としての作法
外国人に茶道を紹介する「テーブル英語茶道」
茶道の歴史・精神を英語で学ぶ
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